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Channel: 平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図
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第80回 ダービー予想

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 少し早いですが、先週の京都新聞杯とプリンシパルステークスの結果を受けて、80回目となる記念のダービー出走可能馬が出揃いました。新3強のダービーですね。

 京都新聞杯を楽勝したキズナですが、一つ前の毎日杯を楽勝した時点でダービー候補となりました。今回は最終調整だと思います。

 毎日杯からは、キングカメカメハやディープスカイというダービー馬が出ており、共にNHKマイルカップを勝ってのG1連勝です。やはり毎日杯からNHKマイルカップを勝ったダノンシャンティも含め、これらの馬は、毎日杯で他馬とは上がりの時計が圧倒的に違うという特徴を有しています。毎日杯で上がりが図抜けて速い馬はダービーで通用する。キズナはこの条件に合っているのです。その上での京都新聞杯の楽勝です。キズナが京都新聞杯に出ていなくても重い印でした。

 皐月賞組は、ロゴタイプとエピファネイアが速い時計に対応できることを証明しました。トライアルの青葉賞はタイムも遅く、上がりも平凡で、この中から上記3頭を凌ぐ馬が出てくるとは思えません。プリンシパルステークスも同様です。

 ただ、東京コースは紛れがあるので、先行できない馬の取りこぼしもありえます。それを説明しましょう。

 東京コースは改修され、坂を上がってからの直線が長くなりました。これで先行有利となったのです。それは、騎手の錯覚がもたらす喜劇ですけど。

 「直線が長い=追い込み有利」という固定観念が競馬界にはあります。確かに、昔の東京コースでは追い込み馬も間に合いました。しかし、東京コース特有のゴール前の坂が追い込みを可能にしていたのです。先行有利の中山でも、最後の1ハロン(200m)は坂なので12秒近くかかります。これで追い込み馬が届くケースが見られます。坂を登ってからが短いので、実質的に坂でのトップスピードがゴール前で生きるからです。改修前の東京コースも、坂を上がってからが短かったので、坂上でのトップスピードが決め手となっていました。

 しかし、改修後には坂を上がり切ってもう一つ直線がある感じです。これで、先に坂を上がった先行馬が一息入れて、もう一度加速することが出来るようになったのです。追い込み馬は、坂の途中で詰めていたと思った先行馬との距離が、坂を上がってみたら離されていたというショック状態に陥ります。



 坂の登り口では先行馬の速度が遅くなり、後続の馬との距離が縮まって見えるのは当然です。しかし、タイム差で見ると縮まっていないことのほうが多いのです。これが錯覚です。騎手は、見かけ上の距離差が縮まったように思いますが、タイム差では離れているので、先に坂を上がった先行馬がまた引き離すように見えるのです。登山で坂が絶壁なら、1馬身差は1分にもなります。この1分差が平坦では1000mです。坂道のトリックには、ベテラン騎手も陥るのです。

 キズナの末脚は魅力的ですが、昨年のディープブリランテも先行粘りでの勝利。オークスのジェンティルドンナも先行差しです。殿から直線だけで届くとは思えません。やはり、4コーナーでは先行集団に取り付く勢いが欲しいですね。

 ということで、先行して味のあるロゴタイプから、キズナとエピファネイアの3強で決まるダービーが見たいですね。タイムも昨年並みか少し速い時計が出るかもしれません。

    エフライム工房 平御幸

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