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Channel: 平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図
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大アンプの抵抗値の変更

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窪田式アンプ改は大アンプと呼ぶことになりました。大ピラミッドみたいでカコ(・∀・)イイ!!からです。

バラックで組み立てて調整してみたら難しい。どうも、窪田氏が「このままの回路で±45Vは大丈夫」と書いていたことを鵜呑みにしすぎたようです。初段のJ-FETに流れる電流から計算しないとダメぽい。

初段に使うJ(ジャンクション)-FETは電流値のランクがあり、小さい方からY,GR,BLと分類されます。しかし、窪田氏が想定しているのはBLランクのIDSSが5~7mAらしい。IDSSとは、バイアス電圧(ゲート・ソース間電圧)ゼロの時に、ドレイン-ソース間に流れる電流値です。大きいほど増幅率も大きくなり、ハイゲイン(高利得)になります。


2SK246BLのIDSS


2SK2013から見た電流値の計算
ピンクの4角が計算に必要な部分(2SJ313から見る計算は逆向きで)

僕が組み立てた基板は、初段の2SJ103BL/2SK246BLのIDSSが3.5mAと小さいものでした。この結果、窪田氏の回路では二段目の2SJ313/2SK2013のゲート電圧が不足します。

2SJ313/2SK2013は、通常の石が0.7V前後で動作するのに対し、2Vを超えるバイアスを掛けないと動作しない。しかも、一度動作すると少しのバイアス変化に過敏に反応し、0.2Vのバイアス電圧増に20mAも電流が増加します↓ (~_~;)



ただ、このような特性はマイナスではなく、音楽信号の微妙な増減に大きく反応するのでダイナミックレンジの大きな音になります。

それで、初段の2SJ103BL/2SK246BLをIDSSが9.5mAと大きくしてみました。というのも、このクラスが一番コンプリペアが取れたから、これが読者の使うランクになるからです。ところが、電源電圧が35.4Vと大きいこともあり、2段目が35mA~48mAと電流が流れすぎてチンチンに熱くなり危険。何とか2段目のバイアスを下げないと (=o=;)

2段目のバイアスを下げるには、初段の2.7kΩか 47kΩを小さくする方法があります。2.7kを1.5kにするか、47kを7kにすれば、初段の電流が2.5mAまで下がるからです。でも、せっかくIDSSの大きなデバイスを使っているのだから、角を矯めて牛を殺すようなことはしたくない。ということで、2段目のソース抵抗220Ωを560Ωにして、上下バランスをとる500Ωのトリマー(半固定抵抗)も1kΩに変更して実験。


抵抗値の変更後(電源電圧も35.4Vと大きくなっている)

この結果、2段目電流が14mAまで下がり、窪田氏の設計と同じになりました。これで、ドライバ段の2SJ76/2SK213まででスピーカーを鳴らしてみたら、歪みもなくてセイシェルの波の音もリアル ヽ(^。^)ノ

ということで、初段のIDSSが9mA~10mAの人は抵抗値の変更が必要。5mA~7mAの人はオリジナルのままで行けそうです。変更の必要な人には560Ωと1kΩトリマー2個ずつ送るので、その他は取り付けて構いません。


パーツ面から見た配置
入力抵抗の10kΩは11kΩに変更して配布済み
測定で使う抵抗はテスターのクリップでつかみやすいように取り付ける
実装画像はあとで追加予定

なお、2SJ103BL/2SK246BLと2SJ74BL/2SK170BLのどちらを初段して、どちらをカスコード側にするかは好き好きとしか言えないような。2SJ74BL/2SK170BLの特性の揃ったのがあって、IDSSが5mA~7mAなら、こちらを初段に使ったほうが良いかも。ちなみに、ウリの実験機は2SJ74ペアの代わりに、前のミニアンプ製作で不評だった2SJ75(中身は2SJ74ペア)を使っています (;^ω^)

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