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Channel: 平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図
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ニダーくんの解説によるアンプ講座 3 増幅とは

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 オーディオアンプは、CDなどからの音楽信号を増幅する装置と位置付けられています。CDプレーヤーの出力信号は小さくて、そのままスピーカーをつないでも小さい音しか出ません。そこで、スピーカーから大きな音が出るように、アンプ(正しくはアンプリファイア=Amplifier)で信号を増幅するのです。今回は、その増幅とは何ニカ?

一般に増幅と呼ばれているけど、本当は増幅ではないニダ
正しくは「小さな信号で、大電流を制御する」
小さい信号が大きくなるのではない

例えば、人間の走るスピードは遅い
しかし、馬に乗って馬を制御すると早く走れる
同じように、小さい力で巨大なパワーを制御すると、見かけ上は力が増えたみたいになる
これが、アンプの基本原理ニダ

前回の、回路の抵抗成分が熱や光になるという図。抵抗のニダーくんを電球に置き換えると白熱電灯となってピコーンと輝く



この白熱電球の代わりにトランジスタを接続すると、増幅回路が出来る

オーディオアンプは、電源とアンプ回路で出来ている
電源から供給される直流電力を、音楽信号と同じ交流に変換する
ここで、問題になるのが交流と脈流の違い


これが交流信号(音楽信号はもっと複雑)


正の脈流(川の波のように直流分の厚みがある)


負の脈流(川面に接する空気のように正の脈流とは対称波形)

図↓のような回路で音楽信号を増幅すると、直流成分の上だけが波のようになる


正の脈流出力(直流成分の上に交流成分が乗っている)
本当は抵抗その他のパーツが必要だが、分かりやすいように省略(以降の図も)

これが脈流と呼ばれる物で、スピーカーをつなぐとボコンとコーンが飛び出してくる


脈流をスピーカーに入力するとコーンが飛び出すか引っ込む


正と負の脈流出力

コーンが飛び出した限界から、音楽信号に合わせて前後に振動する
あるいは、コーンが引っ込んだ状態で振動する
これではコーンの振幅が取れなくて歪(ひずみ)が大きいから実用にならないニダ

そこで、コーンが飛び出さないように、脈流から直流成分を取り除いて交流に変換する必要が生じる

その方法は2つ

一つは、真空管アンプのようにトランスを通して交流成分だけ取り出すこと
二つ目は、出力に直列にコンデンサーを入れて、直流成分をカットすること


出力コンデンサーを入れて直流成分をカットする場合

このどちらの方法も、音が甘くなったり劣化するので、現代アンプでは用いられなくなっている

そこで、プラスの脈流とマイナスの脈流を合体させ、直流成分だけ差し引きゼロにする回路が作られた


コンプリメンタリー回路(正負の直流成分は打ち消し合って交流成分だけ出力される)

これが現代アンプの代表であるDCアンプ
直流領域(DC)まで増幅できるのでDCアンプと言うニダ

具体的には、プラスの電圧で動作するN型トランジスタと、マイナスの電圧で動作するP型トランジスタを上下のセットで使う
これをコンプリメンタリー回路と言うニダ

    エフライム工房 平御幸

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