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Channel: 平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図
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TA-F333ESLの修理

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 夏に手に入れていたソニーのアンプ、TA-F333ESLの修理をしています。前のオーナーが購入後に22年間使ったというワンオーナー物で、非常に程度が良くて接点洗浄とリレーの交換だけで済みそうです。



 この機種はネットでも修理の記事が多く、やはりリレー交換がポイントです。というのも、リアパネル内側のリレー基板が狭い所に押し込まれ、定電圧電源用の小さい方のブロックコンデンサーと、パワー段用の大きいブロックコンデンサーを固定するパーツが取り外しの邪魔となっているからです。


交換後のリレー基板

 リレー交換後に電源スイッチを入れ、ヒートシンクが少し熱すぎるので、バイアス電流を下げました。0.22Ωのソース抵抗両端電圧が、出荷状態では30mVですが、35mVまで増えていましたから、少なめに27mVにしました。この状態で122mAがバイアスとなります。0.027V÷0.22Ω=122.7mA。

 ボリュームと、ダイレクトスイッチのオンオフで少しノイズがありますが、とりあえず試聴。セイシェルの波飛沫(しぶき)の音が凄まじくて、鳥の声もうるさいほど。当時のこのアンプの評価は余り良いものではなく、高域に癖があって低域が物足りないというものでした。

 確かに、最初聴いた時は高域がちょっとという感じでしたが、はたと気がついて、トゥイーター用のコンデンサーをハイラムダに戻しました。フランスの、コンデンサーのフィルム巻取り機のメーカー、アルコトルニクス(ARCOTRNICS)製に換えていたのです。ヤフオクで、ラムダを超える高音質という謳い文句で出ていたことがあるのですが、日本の高級コンデンサーメーカーもアルコトルニクスの巻取り機を使っています。それで海外から取り寄せて試していたのです。

 アルコトルニクスは日本のニッセイというコンデンサーメーカーが買収し、一時はニッセイ扱いで海神無線にも出ていました。しかしニッセイが倒産し、今はどこのメーカー扱いなのか分かりません。コンデンサーメーカーが倒産しても、おそらくは台湾とかの企業が買い取って生産は続けるはずです。ブランドは変わりますが。

 肝心の音ですが、ハイラムダに交換したら高域の癖が無くなりました。何の事はない、オーディオ評論家の使っていたスピーカーのコンデンサーが悪かっただけなのです。アルコトルニクスのコンデンサーは安いだけのことがあって、少し余分な音が出るようです。

 このアンプは自家用ではなく、ミカエルを使っている読者にフィットすると思います。ソニーの333ESシリーズは息が長く、このアンプは初めてMOS-FETを終段に使ったので有名です。MOS-FETになってからのシリーズとしては、333ESL→333ESA333ESJと進化しましたが、333ESJだけがドライバー段もNEC製のMOS-FETを採用しただけで、基本的に余り変わっていません。85000円の定価でしたが、今なら15万円でも赤字になるかも。とにかく重いので、力のありそうな読者を探さないと Σ(´∀`;)

    エフライム工房 平御幸

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