安倍総理が今国会に道州制基本法案を提出するようです。しかし、これが拙速でない保証はありません。
道州制の目的は、隠しきれなくなった地方自治体の巨額負債の清算にあります。地方債の発行残高は200兆円を超えます。もちろん、各地方自治体には返すあてがありません。大阪のような地方自治体からデフォルトするので、このような危ない自治体が地方分権や道州制を声高にしているのです。この仕組をもう少し詳しく見てみましょう。
地方の借金は、地方が独自に発行した債権によって賄われてきました。では、その債権を誰が買って所有しているのかといえば、外資系金融会社や保険会社なのです。日本の銀行も買っているようですが、郵政民有化後に外資が増えたようです。この結果、今のままでは地方が外資依存症になり、地方が返済できなければ外資に資産を切り売りすることになります。これが怖いので、道州制で地方の借金を一纏めにし、この借金を国で肩代わりする方策を練ろうと考えているのだと思います。
しかし、道州制に移行しても、貧しい地方は貧しいままに置かれます。例えば、北陸や四国です。仮に11道州に分割した場合、沖縄を除けば、北海道(19兆5044億円)、北陸(21兆3242億円)、四国(13兆3927億円)が三大貧困州になります。とりわけ四国の貧度が図抜けていますから、これは四国に死ねと言うに等しいです。
四国は山が多くて鉄道網が弱く、工場誘致ほかで不利な立場に立たされてきました。林業や漁業では限界が見えています。でも、これだけの国土があるのだから、きちんと投資をすれば産業の育成も可能なはずです。
本州と四国を結ぶ本州四国連絡橋のうち、88年に完成した瀬戸大橋が開通後、バブルが弾けて公共事業費が削られ続けてきました。四国は電化されないまま置き去りにされ、細々と観光で食いつなぐしかありませんでした。でも、讃岐うどんや坂本龍馬だけでは長続きするわけがありません。
四国に実際に行ってみれば、本州や九州への移動が大変なことが分かります。直線距離では大したことがないのに、鉄道も道路もフェリーもなく、物凄く遠回りするルートしか発見出来ません。これは、九州側から見た四国でも一緒です。
四国、中でも高知県と徳島県は交通が不便で、長時間のディーゼル車か少ない飛行機に依存するしかありません。これは時間の無駄だけではなく、四国が本来持っているはずの、人的あるいは観光のリソースを無駄に放置しているのと同じなのです。
今までに述べたことは、やはり貧乏な東北や北陸にも当て嵌まります。道州制で貧しい州が豊かになるわけがありません。だから、安倍政権は安易な道州制に動く前に、もう一度、国土の潜在的リソースを見直すことで、公共投資を地方活性化のために使うべきです。
国家にとって、地方は優秀な人材と生産物を供給する大事な産卵場所なのです。東京や大阪だけが国を支えているわけではありません。むしろ、地方の疲弊が国を弱らせているのです。地方を豊かにする。これが豊かな日本への正しき国是なのです。政府は、机上の空論ばかり描いている官僚に踊らされないようにお願いします。
エフライム工房 平御幸
道州制の目的は、隠しきれなくなった地方自治体の巨額負債の清算にあります。地方債の発行残高は200兆円を超えます。もちろん、各地方自治体には返すあてがありません。大阪のような地方自治体からデフォルトするので、このような危ない自治体が地方分権や道州制を声高にしているのです。この仕組をもう少し詳しく見てみましょう。
地方の借金は、地方が独自に発行した債権によって賄われてきました。では、その債権を誰が買って所有しているのかといえば、外資系金融会社や保険会社なのです。日本の銀行も買っているようですが、郵政民有化後に外資が増えたようです。この結果、今のままでは地方が外資依存症になり、地方が返済できなければ外資に資産を切り売りすることになります。これが怖いので、道州制で地方の借金を一纏めにし、この借金を国で肩代わりする方策を練ろうと考えているのだと思います。
しかし、道州制に移行しても、貧しい地方は貧しいままに置かれます。例えば、北陸や四国です。仮に11道州に分割した場合、沖縄を除けば、北海道(19兆5044億円)、北陸(21兆3242億円)、四国(13兆3927億円)が三大貧困州になります。とりわけ四国の貧度が図抜けていますから、これは四国に死ねと言うに等しいです。
四国は山が多くて鉄道網が弱く、工場誘致ほかで不利な立場に立たされてきました。林業や漁業では限界が見えています。でも、これだけの国土があるのだから、きちんと投資をすれば産業の育成も可能なはずです。
本州と四国を結ぶ本州四国連絡橋のうち、88年に完成した瀬戸大橋が開通後、バブルが弾けて公共事業費が削られ続けてきました。四国は電化されないまま置き去りにされ、細々と観光で食いつなぐしかありませんでした。でも、讃岐うどんや坂本龍馬だけでは長続きするわけがありません。
四国に実際に行ってみれば、本州や九州への移動が大変なことが分かります。直線距離では大したことがないのに、鉄道も道路もフェリーもなく、物凄く遠回りするルートしか発見出来ません。これは、九州側から見た四国でも一緒です。
四国、中でも高知県と徳島県は交通が不便で、長時間のディーゼル車か少ない飛行機に依存するしかありません。これは時間の無駄だけではなく、四国が本来持っているはずの、人的あるいは観光のリソースを無駄に放置しているのと同じなのです。
今までに述べたことは、やはり貧乏な東北や北陸にも当て嵌まります。道州制で貧しい州が豊かになるわけがありません。だから、安倍政権は安易な道州制に動く前に、もう一度、国土の潜在的リソースを見直すことで、公共投資を地方活性化のために使うべきです。
国家にとって、地方は優秀な人材と生産物を供給する大事な産卵場所なのです。東京や大阪だけが国を支えているわけではありません。むしろ、地方の疲弊が国を弱らせているのです。地方を豊かにする。これが豊かな日本への正しき国是なのです。政府は、机上の空論ばかり描いている官僚に踊らされないようにお願いします。
エフライム工房 平御幸