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バラの本画の制作途中

 クイズは案の定、下手な考えや、答えが上で出ているのに悪足掻きの書き込み。答えが長くなっている人は、長くなっている時点で間違っていると気付くべきです。カッバーラの答えは極めてシンプルで明快。この原則から外れることはまずありません。

 それから、僕の古代史を読んでいないのに答えを模索するのもルール違反。必要なスキルがないのだから考えても無駄です。それにしても、米の書き順というヒントで分からないとは、本当に小学生からやり直したほうが良いのでは。

 さて、バラを日本画の岩絵の具で描く工程も七分峠。基本的な技術解説を交えて公開します。画像は、上から

?コピーしたデッサンを青色チャコペーパーを敷いてトレース。トレースした線の上から墨で線入れ(骨描き)。その上から、胡粉と黄土を混ぜたもので全体を一塗り。

?白群青や朱や黄で薄い下塗りをしてから、バラの基本的な色と、葉の基本的な色を塗る。

?形が潰れないように慎重に塗り重ねている段階

?バックの胡粉と黄土のファンデーションを細かい雲の形に塗り重ねて、バラの全体像が出来上がり。下絵と並べているところ。

?使用した岩絵の具の一部と皿。

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下に敷いているのはミスドでゲットしたポン・デ・ライオン バスタオル

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 以上ですが、使っている和紙は雲肌麻紙(ドーサ引き)というもので、近くで見ると雲のような斑があります。紙だけではいずれ焼けて黄色くなるので、胡粉と黄土を混ぜたファンデーションで雲肌を再現します。これは僕の独特の技術で、胡粉に墨を混ぜる具墨(ぐずみ)の応用です。貝から作られる胡粉は軽く黄土は重いので、混ぜても塗る段階で分離します。乾くと、この分離が雲肌のように見えるのです。

 下絵と並べた画像はピンぼけで、後ろの石膏像に焦点が合ったようです。葉の色がまだ生で、バラも輝きと立体感が足りませんが、ここまで来れば完成がイメージできます。あとは細かい修正の連続です。

 最後は使用した岩絵の具ですが、左下の白緑(びゃくろく)のように、乾燥するとニカワがパリパリと剥がれてくるので、こうなるともう使えません。白緑のように粒子の細かい顔料は、本当に使う分だけ絵皿に取るようにします。

 中央段の右から二番目のピンクは、最も安価な合成顔料です。合成は品がないので、微量だけスパイス的に使います。その左横が胡粉と黄土を混ぜたもので、緑青を加えて葉の裏などにも使います。最下段の右から二番目が高価な天然辰砂(しんしゃ)で、要するに朱と同じ水銀化合物です。

 今回はまだ使っていませんが、天然の珊瑚末を二種類、値段も見ずに二両目(30g)も買ってしまいました。人物を描く時に必要だからです。帰ってきて値段を見たら一袋6800円 orz。予算一杯のギリギリになったわけです。

 今回は、鉛筆デッサンの段階で等倍コピーしてあるので、もしも同じ物を日本画で描きたいという人があれば提供します。また、完成したら写真ではなくスキャナーで取り込んでみたいと思います。いずれにしても、展覧会+試聴会には間に合いそうなので、サボリ心を起こさないようにしなくては。

    エフライム工房 平御幸

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